OZAKI法に関して、患者さんやご家族からよくいただく質問をまとめました。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
OZAKI法は、患者さんご自身の心膜(心臓を包む膜)を使って大動脈弁を再建する手術です。人工弁を使用しないため、術後のワーファリン服用が不要になり、食事制限のない普通の生活を送ることができます。2007年に尾﨑重之医師によって世界で初めて実施されました。
大動脈弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全症の患者さんが主な対象となります。特に以下の方に適しています:ワーファリンを飲みたくない方、透析を受けている方、若年の方(再手術のリスクを減らしたい)、二尖弁の方。年齢や症状の程度によって適応が判断されますので、詳しくは認定施設の医師にご相談ください。
弁の石灰化の状況や術式によって異なりますが、目安は以下の通りです。
・大動脈弁のみのOZAKI法(胸の真ん中を開ける一般的な正中切開):約3時間強
・MICS(右胸の小さな切開で行う低侵襲手術):約4時間
・上行大動脈の人工血管置換を同時に行う拡大手術(二尖弁の方などに多いケース):約5時間
入院期間は、一般的な人工弁置換術と大きな差はありません。
手術当日にICU(集中治療室)に戻り、順調であればその日のうちに気管チューブが抜けます。翌日の朝にはお食事が始まり、午後からはICU内で歩行リハビリを開始します。一般的な正中切開であれば術後およそ2週間、MICS(低侵襲手術)の場合は術後1週間〜10日で退院となります。
OZAKI法の再手術回避率は93.4%と非常に良好ですが、残りの約6.6%の方は再手術を受けておられます。再手術の主な原因は、血液中のばい菌が弁にくっついてしまう「感染性心内膜炎」などです。
しかしOZAKI法は、万が一再手術になった場合でも「もう一度OZAKI法」「負担の少ないカテーテル治療(TAVI)」「人工弁」など、治療の選択肢が広く残されているという大きな強みがあります(最初に人工弁を入れてしまうと、再手術の選択肢が狭まってしまいます)。
はい。むしろ透析患者さんにとって非常に大きなメリットがあります。
透析患者さんがワーファリンを飲むと全身の血管の石灰化を誘発しやすくなりますが、
ワーファリン不要のOZAKI法であればそのリスクを回避できます。
デメリットを挙げるとすれば「歴史の長さ」です。2007年に開始し現在19年分の良好なデータは蓄積されていますが、何十年もの歴史がある人工弁に比べると「20年後、30年後の長期データがまだ存在しないこと」は事実としてお伝えしています。
また、心臓手術である以上、出血や脳梗塞などの一般的なリスクはゼロではありません。すべての患者様にOZAKI法が適しているわけではないため、ご負担の少ないカテーテル治療(TAVI)も含めて、患者様にとって「最も適した治療(適材適所)」を慎重に判断してご提案いたします。
いいえ、ありません。ここがOZAKI法の大きなメリットです。
人工物を使わずご自身の組織(心膜)で直すため、術後に血液をサラサラにする薬「ワーファリン」を一生飲み続ける必要がありません。
そのため、ワーファリン服用時には禁止される「納豆、ブロッコリー、青汁、クロレラ、ほうれん草」といったビタミンKを含む食品の制限も一切なく、手術前と同じ食生活をお送りいただけます。
はい、食べられます。OZAKI法ではワーファリン(抗凝固薬)の服用が不要なため、納豆やクロレラ、青汁などビタミンKを多く含む食品も制限なく摂取できます。
ワーファリンは血液を固まりにくくする薬ですが、ビタミンKを多く含む食品(納豆、ブロッコリー、ほうれん草、クロレラ、青汁など)を摂取するとワーファリンの効果が弱まるため、機械弁の方は食事制限が必要になります。OZAKI法ではワーファリンが不要なため、これらの食品を自由に摂取できます。
術後の回復期間を経て、通常の運動が可能です。具体的な運動の程度については、担当医にご相談ください。
はい、可能です。機械弁の場合はワーファリン服用による胎児への影響が懸念されますが、OZAKI法ではワーファリンが不要なため、妊娠・出産を希望される女性にも適した治療法です。
OZAKI法認定施設で受けられます。全国に70以上の認定施設があります。詳しくは認定病院一覧ページをご確認ください。
はい、可能です。セカンドオピニオンとしてご相談ください。お問い合わせフォームからご連絡いただくか、直接認定施設にご相談ください。
OZAKI法は保険適用の手術です。高額療養費制度を利用することで自己負担額を抑えることができます。詳細は各認定施設にお問い合わせください。